自宅は購入と賃貸、どちらが得か?

不動産あるあるのテーマの中に、家を購入したほうが良いのか賃貸したほうが良いのか、どちらが得か、というものがあります。

結論から言うと、住む人のライフスタイルに合わせて選べば良いということになるのですが、ブロガーやビジネス系Youtuberなど、それなりの経歴の方がテーマを話しているので、私も不動産業界人として自分なりの持論を述べてみたいと思います。

自宅の賃貸も購入も建築も経験し、不動産情報誌に7年携わり、不動産投資物件を複数購入、さらに15年に渡って宅地建物取引業を営む私の経験に基づくものですので、きっと参考になる部分があると思います。

購入のローン総額と賃貸の家賃総額を比較してみる

単にお金の総額に絞って、どちらが有利かを簡単にシュミレーションしてみたいと思います。
仮に頭金なしのフルローンで2000万円を借りたとしましょう。今の時代なので、ボーナス返済は無しにして、借入期間を30年、金利は1.5%一律で計算してみましょう。
*管理費・修繕積立金・駐車場代は月額15,000円と仮定します。

借入金額:2,000万円
ボーナス返済割合:0.00%
金利:1.500%
借入期間:30年
返済総額:24,848,426円
支払利息総額:4,848,426円
月額返済額:69,024円
年間返済額(月額返済額×12):828,288円
年間費用(管理費等):180,000円

2000万円の物件といえば、私の住む香川県では、築10年以内の築浅中古マンション・ファミリータイプくらいの値段です。30年後は、資産価値はほとんど無くなっていますね。
それにしても約485万円も銀行に利息を払うのですね~。

では、この月額返済額69,000円+月額費用15,000円=84,000円を家賃(管理費・駐車場込み)と仮定すれば、立地条件を購入と同じとして、築20年程度の賃貸マンションが想定されます。

購入の場合は、価値が0とはいえ、部屋は残ります。しかし、築30年を超える物件は新築時から全く設備交換費がかかっていないということは無く、必ず百万単位での設備費が負担されたはずです。

一方、賃貸の場合は、設備の故障は大家さん持ちですから自分で負担することはなく、また、引っ越し代さえ負担すれば常に築浅で美掃済みの部屋に住み替えることが可能です。

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購入したときのメリット・デメリット

購入するメリット
  • 所有欲が満たされる オーナーとして社会的ステイタスも高い
  • 将来、賃貸として収入を得ることが可能
  • 資産として相続の対象となる
  • 年をとっても完済していたり、ローン支払いが滞らない限り、住み続けることが可能
  • 戸建ての場合、建物が老朽化しても土地が残るため、建て替えが可能
  • 別の融資の担保となれる
  • ある程度自由にリフォームができる
購入するデメリット
  • ローン支払いが滞れば手放さなくてはならない
  • 賃貸物件として他人に住まわせることで、事故物件にされてしまうリスクがある
  • 引っ越しができない 近所に変な人がいても逃げられない
  • 固定資産税がかかる
  • 火事や災害で物件が破損する可能性あり

借りたときのメリット・デメリット

借りるメリット
  • 引っ越しが自由
  • 固定資産税、各種経費が名目上かからない
  • 今後、賃貸物件余りが予想されるので、選択枝が増える
  • 災害などで部屋が壊れても、修理してもらえるか引っ越しできる
借りるデメリット
  • 勝手にリフォームできない
  • 敷金や礼金など、初期費用にまとまったお金が必要
  • 最近は家賃保証会社の審査に通らないと貸してくれないケースが増えた
  • 大家さんの事情で引っ越ししなくてはいけないことがある
  • 経済状況で家賃変更の可能性がある
  • 契約者本人や保証人の死亡などで状況が変化したとき、退去させられる可能性あり
  • 年配になると借してもらえないケースが多い
  • ペット可の物件が少ない

まとめ

金融資産や収入が少ない方が、多額のローンを組んでの購入はお勧めしません。
ローンを組むということは、銀行に縛られることになりますので、転職などもしにくくなります。
また、万が一支払えなくなった場合は、銀行に物件を差し押さえられしまいます。
賃貸であれば、状況の変化に対応しやすく、収入が少なくなれば安い家賃のところへ住みかえることが可能なのです。

逆に金融資産や収入が高く、また安定している方は購入したほうがよいでしょう。
貯金があれば、銀行に余計な金利や手数料を支払わずにキャッシュで買っても良いですし、融資を受けるにしても、このような方は審査や金利、住宅ローン減税など有利なことが多いです。

ただ、最近はライフスタイルの変化で、特に若い人では賃貸派が増えています。
独身・結婚・子育て・老後などのステージに合わせて、最も適した家にフレシキブルに住むというのも、無駄がなくてむしろ経済的かもしれませんね。

これはあくまで私のおすすめなのですが、鉄骨造りもしくは鉄筋コンクリート造りの投資用賃貸マンションを建てる、もしくは中古物件を購入し、オーナー兼そこの1室に住むということです。
税金上もメリットがありますし、給料が激減したり会社をクビになったりしても家賃収入で補えます。

さらに、自分の持ち物なので、ペットを飼うことも、壁を厚くして楽器演奏もできます。
賃貸物件を所有することは、現金で持つより相続税対策にもなりますし、多額のローンを組んでも家賃収入で払っていけますので、破綻する可能性が極めて少ないです。

かぼちゃの馬車事件以降、投資用物件への銀行融資審査は厳しくなってしまいましたが、良い物件のチャンスに恵まれましたら是非チャレンジしてみてください。

FMラジオでもお話しています。*2018年時点での放送です。
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