宅建士試験に合格するには 不動産屋以外の方にも役立つ資格

不動産屋さんを開業するにあたって、宅地建物取引士(かつては取引主任者)の資格者は必ずいなければなりません。また、銀行や企業内で不動産を扱うところでも必須の資格です。
今年はコロナの影響で人数制限があり、通常の10月18日のみならず12月27日にも試験が行われます。
多いときは20万人が受験するという宅建試験、合格するにはコツはあるのでしょうか?

宅建士試験の受験・合格状況

この宅建士の資格試験ですが、毎年秋に行われ、令和元年は22万人もの人が受験したという人気資格です。合格率はおおよそ16%なので、主婦や学生でも受験するようです。全部で50問、1問につき4択となっていて、すべてマークシートです。もともと28点~34点あたりがボーダーラインだったのですが、令和元年は35点、平成31年は37点と近年合格ラインが上がっています。

さて、この試験勉強、どれくらい勉強すれば合格しやすいのでしょうか?人によってまちまちですが、おおよそ1年くらい、短い人でも半年は勉強しているようです。使用するツールは最近スマホやYoutubeなど、様々なものがありますが、ほとんどの方は本のテキストや問題集を買われていると思います。
宅建のテキストや過去問、模擬問題集は数多く出ていますが、私の経験からすれば、どれも優劣付け難い洗練された内容です。

私がおすすめする宅建テキスト

テキストや問題集は、どれが良いかというよりも、自分で愛着が持てる長続きできそうなものを選んで下さい。私は分厚い本を読むと眠くなるので、問題集を解答を見ながらこなし、後で参考書で知識を確認するという方法をとりました。問題には専門用語も多く、1回目はチンプンカンプンなのですが大丈夫。参考書で確認して2回目をやるとしっかり頭に入ってきます。

テキストの優劣は本当につけ難いのですが、あえて、おすすめするとすれば、不動産アカデミー代表:中村喜久夫さんの「スッキリわかる宅建士」LEC東京リーガルマインドの「出る順宅建士」です。

中村喜久夫著「スッキリわかる宅建士」

スッキリシリーズの著者、中村喜久夫さんは私が(株)リクルート勤務時代の新人時の先輩。早稲田の政経学部を卒業して、リクルートではずっと企業や広告審査をされてました。不動産鑑定士やマンション管理士を取得し、退社後に(株)不動産アカデミーを設立されています。現在は明海大学不動産学部の教授という傍ら、宅建協会などの講演で全国を飛び回り、業界誌にも毎号寄稿されています。

とにかく教えることのプロなので、専門用語を聞いたこともないような初心者のかたには、とてもとっつきやすい内容となっています。しかもこの宅建テキストというものは、分厚くてカバンにも入りかねるものが多いのですが、分野別に分冊でき、持ち運びしやすくなっています。

LEC東京リーガルマインドの「出る順宅建士」シリーズ

東京リーガルマインドは、「出る順宅建士」シリーズです。名前の通り、途中で挫折しそうな人や時間が無い人のために“試験に出る順番”に並んでいることが特徴です。重要な順なので、土壇場での復習にも最適ですね。このシリーズには、「ウォーク問」という問題集もあって、B6手のひらサイズで持ち歩けるようになっています。満員電車の通勤中にも読めるようになっていて、僕も片道1時間の通勤時間にこれを愛用してました。

しかし、やはり一番効果的だったのは東京リーガルマインドのスクールへ行くことだと思います。
ほかの合格者の方でも、やはり直接講義を受けると理解が深まったとよく言われます。近年はオンライン受講になってきているので、パソコンでも受講できるのですが、もし可能なら教室へ出向くのがベストです。時間もお金もかかるのですが、自分一人だと途中くじけたり、怠けたりしそうになるところを、友人や教室の雰囲気が元気づけてくれます。自分を管理できない人にはこの方法が一番かと思います。

宅地建物取引士の未来

宅建試験は、合格しただけでは履歴書に書けるくらいの価値しかありません。宅建業に携わり、免許証をもらってから初めて役に立つようになります。
でも、不動産に興味がある方で、宅建業界で仕事しないからといって、試験を受験しないのはとても勿体ないことです。

なぜなら、宅建試験内容の民法・法令上の制限・税などは普段の生活でも十分役立つ知識だからです。これから家を買う、土地を売る、相続や不動産投資など、一般の方でも不動産知識が必要になる時が一生に一度は必ず来ます。知識がない人は、悪徳不動産屋や詐欺師に騙される可能性が十分あるのです。

不動産は絶対に無くならない商品です。しかも何度も再生が可能なものなので、宅地建物取引業そのものが無くなることはありません。様々な知識のほかに、経験や人脈、交渉力を必要とするこの業務は、AIには絶対できません。
不動産業界でいる人はもちろん、業界外の人たちも、ぜひこの資格を活かして、充実した人生に役立てていただければと思います。

2016年のラジオで話をした内容です。ご参考ください。
こちらも私のセミナー録音ですので、ご参考ください。

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