お墓の中にお骨を入れることを納骨といいますが、納める時期とか、どうやって納骨するのかで悩まれる人もいると思います。今回は、そのような納骨に関することを簡単にご説明したいと思います。
納骨をする時期
納骨の時期についてですが、かつては49日の法要(満中陰)に納骨も一緒にすることが多かったのですが、亡くなった日からあまりに早すぎるのと、納骨時間が延びると法要の食事をする店に迷惑をかける等の理由で、最近は百箇日法要や1周忌に近親者だけで行う方が多いです。
うちのお客様で、小さい子供さんを亡くされた方は、深い悲しみでお骨を手放すことができず、2年ほど経って納骨された例もあります。
私は基本的にはご遺族の気持ちの整理がついた時でよいと思います。
納骨の方法
地域によって微妙に違うのですが、日本のほとんどの地域で、骨壷のまま納めているようです。
骨壺は、納骨日まで木箱や紙箱に入れられて周りを白布で包まれています。納骨時は、それらから取り出して、陶器製の骨壷のみ入れます。紙箱に入れたまま納骨している例がありますが、箱が納骨室(カロート)内で朽ちて、汚くなりますので、陶器の骨壺のみのほうが清潔感があります。
納骨室内がいっぱいの場合は
納骨室(カロート)内に入る骨壷の数は限られてますので、いっぱいになれば、古いものからさらし袋に入れて再納骨してあげます。さらし袋は、水分は通すので、中のお骨は水に溶けて土に浸みこみます。やがて袋も朽ちてお骨が底に散乱し、さらに土に還りやすくなります。
*関西の小さなお墓では、最初からさらし袋で納骨する場合もあります。
お骨を納骨室内にばら撒く場合
納骨室のタイプによっては、さらし袋に入れずに、お骨をそのまま納骨室内にばら撒くやり方もあります。関西では火葬の後、骨の一部を持ち帰るのですが、関東や中国地方などでは、総骨といって全てを大きな骨壷で渡されます。しかも東京圏では納骨室内が狭いため、さらし袋にも入れられず、古いお骨は底部にばら撒くケースが多いようです。
お骨をばら撒く場合は、できれば細かく砕いて入れた方がよいです。焼骨と言えど、大きな骨はなかなか土に還りにくいためです。
話は少しそれますが、焼いていない土葬のお骨は、数十年程度ではあまり土に還らないようです。千年以上前の古墳時代の骨がたくさん見つかっていますが、きちんと埋葬されたものは、人の形がそのまま残っていますね。
お骨を入れるところは、お墓によって違う
大阪型や神戸型のお墓は、前面に家紋を彫った水鉢があり、それを前に倒したり、横に倒したりしてずらし、下台に開けられた納骨穴からお骨を入れます。
高知や徳島型などになるとお墓の下に観音開きの納骨堂(舞台)があり、その中に納めます。
狭い墓地では水鉢・香炉・花立などを外し、その下にある板石をずらして納骨する場合もあります。
関西型の納骨方法は以下の動画をご参考ください。
納骨について 最後に
お骨をお墓に入れずに、仏壇に置きっぱなしという人がいます。亡くなって2~3年は仕方がないのですが、5年以上置いているというのはあまり好ましい話ではないです。
ややオカルト的な話で言えば、故人がなかなか成仏できずに、家の中をさまようとも言われてますし、家族も気持ちに踏ん切りを付けるために、お骨はお墓に移動させてあげるべきかと思います。
そもそも5年も経てば、故人のことを思い出す時間もあまり無いと思われるので、親戚からは単にルーズなだけと取られても仕方ありません。
亡くなった方を偲ぶのは、とても大切なことなのですが、故人の一部である遺骨は、やはりしかるべき場所に在るというのが一番の供養かと思います。
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