レオパレス21が経営危機にあることは、例の界壁問題が発覚してからずっと言われていたことであるが、今回外資系ファンドの資金援助を受けたことで、我々オーナーは複雑な気持ちになっている。
債務超過118億円のレオパレス21に米国ファンドが資金援助
6月の時点で118億円もの巨額な債務超過を発表したレオパレス21。このままだと倒産も危ぶまれていたが、ソフトバンクグループ傘下の米国ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」の支援を受けることが決まった。
この支援によってフォートレスは、レオパレス株式の25%を保有することになるらしい。
市内に14戸のアパート1棟を所有する私としては、まずは最悪の倒産危機が回避できたことでホッと胸を撫で下ろした。しかし、今後経営の舵取りをするのが外資系ということもあって、「オーナーへの支払い金額を大幅に減らされるのではないか?」という心配も出てきたことは事実だ。
オーナーを騙し続けてきたレオパレス21の経営陣
昨今、ニュースで報じられ、レオパレスの経営危機を招くきっかけになったのが、あの界壁問題である。建築確認申請どおりに建築していれば問題ないのであるが、施工数のあまりの増加に、少しでも建築スピードを上げたかったというのが手抜きをした理由だと言う。
責任のすべては創業者一族とその取り巻き
レオパレスオーナーとして、この会社のたくさんの社員と話をしてきたが、社員はまじめな人が多く、また、優秀な人材も結構いたのだ。それがここまで落ちぶれたのは、創業経営者の深山一族のほか、その放漫経営に異を唱えなかった当時のバカ役員どもの責任である。
界壁施工の手抜き工事を、下請け工事業者の責任にしていたこともあったが、下請けの不手際は当然元請けの責任なのだ。
組織は頭から腐るというが、この会社はその典型だ。
オーナーから訴訟をすでに起こされている
実はレオパレスは、この界壁問題以前にもオーナーから複数の訴訟を起こされている。
当初10年間は、家賃保証額を変更しない旨の契約書であったが、”入居状況と家賃維持が思わしくない”という理由で、10年以内であってもオーナー支払いの減額を強制的に行ったのだ。
当然、うちにもそれを説明しに社員が来たが、いつもの馴染みの営業マンではなく、全く関係のない新潟から説明要員が派遣されてきた。日頃からオーナーと親しい担当営業では伝達しにくい内容というのは分かるが、やり方が卑怯極まりない。このようなオーナーを軽んずる経営陣の対応に怒りを覚えると共に、営業マンたちの張り裂けそうな心中を思うと気の毒でならなかった。
サブリース会社の暴走は、不当判決を出した裁判所にもある
ついでに言わせてもらえば、サブリース会社のこのような横暴を、裁判所は”家賃減額は違法ではない”という判決を出し、それがサブリース会社を悪ノリさせ、あの悪名高き「かぼちゃの馬車」詐欺事件に発展してしまったのだ。契約書に書いてあることが、一方的に守られなくても良いのであれば何のための契約書なのだろう??
法曹界の”不動産オーナーは悪者”という古臭い思い込みは、まだ根強く残っている気がしている。
フォートレスの今後の出方
報道によれば、支援を引き受けたフォートレスは、レオパレスの経営陣は変えず、そのまま経営を任すようだ。しかし、界壁の補修がまだ1割程度しか終わっておらず、今後も大きな収益増加が見込めないのであれば、近い将来、何らかの手段を講じてくるはずである。
社員のリストラは、今期1,000人もの希望退職を出したところなので、これ以上は期待できないだろうし、売却する資産ももうほとんど残って無いはず。
そうなると、何に手を付けるかと言うと、オーナーへの支払い金となるのは、ほぼ間違い無いのではなかろうか。
オーナーの覚悟
外資ファンドはハゲタカなので、私を含め、レオパレスオーナーは覚悟を決めとかないといけません。先に書いた裁判所の合法判例のせいで、今もらっている金額を突然半分にされることも十分有り得る。その時、我々はまた大人しく従って、少ない分け前をもらい続けるのか、レオパレスときっぱり決別し、独立したアパートオーナーとして経営を続けるのか、はたまた損切り覚悟で売却をしてしまうのか、オーナーの皆様、今まだ時間があるうちに自分の身の振り方を専門家に相談しておきましょう。
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