賃貸物件に入居してくる方には、いろいろな事情の方がいて、家賃を滞納したり、ゴミ屋敷にしたり、最悪は自殺したりと実に様々なトラブルを起こします。
このような方々への対処を放置したり、方法を間違えたりすると、状況がますます悪化しますので、不動産投資歴18年の私が効果的な対処法をお話いたします。
家賃滞納には家賃保証会社への加入で、入居前に対処する
今は全保連(株)や日本セーフティー(株)などの家賃保証会社があるので、これらの会社の審査を通過さえすれば新規契約はほぼ安心です。最近は民法改正で連帯保証人の保証額に上限が設けられたことから、連帯保証人を無くし、その分保証委託料を高めに設定しています。
家賃保証会社とは、万が一家賃が滞れば代わりに支払いをしてくれる民間企業です。貸主に支払い後は、入居者に弁済金を手数料を乗せて請求する仕組みとなっています。貸主は家賃さえ入れば良いですし、借主も追い出される心配がないのでお互いに感情面でのトラブルは避けられます。
ただ、家賃を滞納する方は、仕事がクビになっているなど何らかの事情で収入が途絶えた方が多く、保証会社への支払いも滞納し続ける結果になりがちです。その場合は、保証会社も退去の方向で貸主を手伝ってくれますし、居座った場合は、建物明け渡し請求裁判などのアドバイスをしてくれたりもします。なお、入居者は退去したとしても保証会社への債務は残るので、保証会社から強制的に取り立てられます。
ということで、新しく入居してくる方は、必ず保証会社の審査を受け、合格なら家賃保証委託に加入することを入居条件にしてください。
少しでも早く空室が埋まってほしいというオーナーの気持ちは痛いほど分かりますが、問題を起こす人を一人入れてしまうだけで、多大な時間と労力を使ってしまい、挙句の果ては金銭的損害を受けてしまいます。ひどい場合はオーナーが傷害事件の被害者になったり、鬱病を患ってしまいます。
ちなみに私が貸主の物件、または管理させていただている物件に関しては、すべて保証会社への加入が条件になっています。
スポンサードリンク購入しようとする中古不動産に、問題人がすでに入居している場合
最も問題になるのは、中古マンションを一棟購入した時に、家賃の支払いが遅れるなど、問題のある人が複数入居している場合です。元オーナーや管理会社の意識が低いときは最悪で、契約書を作ってない人、連帯保証人を取ってない人、敷金を預かっていない人など、あとで問題が次々と表面化してきます。
悪質な不動産屋になれば、利回りを高く見せて早く販売するため、また、汚い部屋を見せないために、オーナーと不動産屋が結託して、本来なら入居できないような人を無条件で入居させ、見せかけの満室状態にして販売する場合があります。
このような場合は、物件の所有権が変わったとたん、滞納が始まったり、ごそっと退去したりします。
よって、オーナーチェンジの投資物件を購入するときは、必ずすべての部屋の契約書をチェックしてください。保証会社に加入しているか、連帯保証人の実印はあるか、連帯保証人は生きているか、などです。
問題がある人がいた場合は、仲介する不動産屋に購入前に必ず不備を解消してもらいましょう。
また、仮に満室であっても必ず室内を一部屋でも見せてもらいましょう。物件の室内の状態が確認できるだけでなく、そのアパートにはどういった人が入居しているか、何となく把握できると思います。
仲介会社や管理会社は、こちらがいろいろ条件を付けると、面倒くさくなって他の買主を探すと思いますが、その場合はご縁がなかったと思って諦めてください。入居者とのトラブルは本当に大変なので、安易な妥協は禁物です。
入居者とのトラブルが発生したら
家賃保証会社の保証が受けられず、家賃を滞納された場合は、しつこく取り立てるか、連帯保証人に払ってもらうしかありません。私の経験では、3ヶ月滞納されたら全額は払ってもらえません。このような場合は、数か月遅れて払うようになるのが常です。こういう人らは、オーナーや管理会社を舐めていることが多いので、早めに連帯保証人に連絡して、こちらが本気であることを分からせる必要があります。
連帯保証人の署名捺印をもらえていない、もしくはすでに亡くなっているなどの場合は、早めに弁護士に相談です。弁護士名で未払い家賃請求をすれば、ビビッて払う人もいるでしょうし、だめなら建物明け渡し裁判を起こしましょう。
同様に、ゴミ屋敷にして悪臭をまき散らす人、暴言や叫び声で他の住民に迷惑行為をする人なども弁護士に対応してもらいましょう。
弁護士費用や裁判費用は安くはないですが、事件になってからでは遅いのです。
入居者とのトラブルは、とにかく迅速な対応を
私はかつて、滞納を起こした入居者に破産され、かなりの家賃をチャラにされたことがあります。
また、部屋をゴミ屋敷化し、夏場に悪臭を漂わせ、その上家賃を2年間も滞納した人物を明け渡し裁判で追い出したこともあります。当然、家賃は戻らず、部屋の清掃・リフォーム費用は300万円もかかりました。
彼らには、本当にはらわたが煮えくり返りましたが、同時に管理会社に任せっきりで早い対応をしなかった自分を反省しました。以降、滞納がひどい場合には、管理会社と共に自ら入居者に応対するようにしています。
皆さんもアパートやマンションなどの賃貸物件を購入される場合は、入居者の一人一人まで必ず調べるようにしてください。不動産屋や管理会社の言いなりにならないように気をつけましょう。
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